佳子が運転免許証の書き換えのために、遼河と一緒に警察署へ。
更新手続きの間、遼河と二人で近くのコンビニへ。
そのころ、空では46年ぶりの天体ショーの日食が。
埼玉は、今朝までの雨が上がり、薄雲から欠け始めた太陽が見えた。
コンビニの前にできた水たまりに写る日食がきれいだ。
警察に戻ってもまだ更新が終わってなく、
「遼河に外で日食でも見てよう」と話しながら外へ出て行くと、
警察の職員の女性が付いてでて来て、
「見えるんですか?」と。。
空を見上げると、肉眼でも薄雲にくっきりと三日月のような太陽が見える。
その女性は思い立ったように建物の中へ入って行き、すぐに何かを手にして出て来た。
それは、かなり適当に穴を空けた厚紙だった。
太陽にそれをかざし、床に写るシルエットを眺めてる。
ハサミの先でモゾモゾとやっつけで空けたと思われる穴からは、
もちろん日食なんて観測出来はしない。。。
「あれ〜?こうやると見えるって…」
「いやー難しいんじゃないですか」思わず言ってしまった。
「雲が掛かってるから、逆に見やすいですよ、もう少し、あの雲が掛かれば見えますよ」なんて観測の指導?
すると、警察署の中から多くの職員が出て来てしまった。
警察官や職員さんと一緒に日食観測。
一人の警察のおっさん。
「なんだよー、見えるわけねぇーだろーよ」
おっさん、空を見上げる。
「なんだぁー、こんなに曇っててよ、めーねーよなぁ」
キレ気味だ。
まわりの人達は、「うわー、右下が欠けてる、三日月みたい」と言って喜ぶ。
おっさん、「みえねー、見える訳がねーんだよ、だって日食は12時だって言ってただろー」
おっさん情報もおかしい。
彼は、はなっから見えるわけがないと思い込んでいる。
周りの人達が喜んでいても、それを茶化す。
しかも大きな声で。
もしも、あんな人が刑事で取り調べとかされたらたまんねーな。
ドリフのもしものコーナーのコントを想像する。
たまったもんじゃない。
遼河は、突然シクシクと泣きそうになった。
「おかあさんに、見せるー」と。
彼女はまだ免許証更新時に見るビデオを見せられていた。
3歳に満たない彼の記憶には当然残らないだろう。
でも、三日月のような太陽を見て、何かを感じたようだ。
次に観測出来る皆既日食は26年後の2035年だという。
9月2日、遼河29歳の誕生日だ。
それも、関東で見られるようだ。
オレは、66歳。
まだ見られるな。
2012年5月21日には、金環食が。
これも関東で観測できる。
妹の奄美大島ではどうだったんだろう?
一生に一度は、真っ昼間に真っ暗になる皆既日食を経験してみたい。
2009.07.22/Wed - 17:48|こしみず日記