月、火曜日の店休日のRelax、なかなか子供と休みが合わないが、このシルバーウィークは久しぶりに2日間一緒に過ごすことができるということで、息子のリクエストでキャンプに行くことにした
いつも空いているというキャンプ場の情報を集めても晴天マークが続く天気予報、どこも激混みという情報だった
荷物を用意し車に積み込むも、夕方になっても行く場所を決められずにいて、荷物をまた降ろそうかとも考えていた
こんなときに頼れるヒトに電話をすると、一つ返事で「いいよ」と言ってくれ、僕らだけのプライベートな贅沢キャンプをすることになった
ゆっくり家を出て、シルバーウィークに3日間営業しているという、朝丸帰りの定番のナナイロ食堂の開店合わせでいつもの69号からルート根利を走り片品村へ向かう
ここは盆暮れ正月、GWでも混雑することはない、そうみんなあまり通りたがらない峠道、特に雪の季節は仕事の車か雪山に通いなれている車しか通ることはないルート、SWもまた快適ドライブで予想時間通りに現地到着
冬にはなかったメニューを3人で頼んでナナイロのグリーンシーズンを味と時間をゆっくりと楽しんだ
丸沼でサマーリュージュを楽しもうとリフトで上に着くと2人のパトロールがいつもの笑顔で迎えてくれた
3年生にもなる息子、怖がりな彼は一人では嫌だというので、ぼくと2人乗りでダンヒル
スピードを乗せようとするとその手前で泣くような声を出しビビる、仕方なく超低速でショートターンを楽しもうとすると、それもまたまたビビる
そんなことをしながら下っていると、親子と思われる2台がハイスピードでぼくらの横を追い抜いてカーブを走り抜けていく
2つ先の少しバンクになっている右コーナーの先でその子供がコースアウト、リュージュの下に石ころが挟まって走れなくなっているのを助ける
コースには彼が蹴散らした石や土や草が撒き散らせれ危険な状況、その後をゆっくり走り降りていき、係りの人にコース整備のお願いをしていると、先に降りて行った父親が母親と思われる女性に「あいつさー、コースアウトしてやんの」なんて笑って話していたのだ…
去年ここのサマーゲレンデで滑りトゥーサイドターンで駆け上がろうとしてエッジがすっぽ抜けて左手首の橈骨、尺骨を粉砕、片方の骨は縦に長く割り箸のように割れてしまった自分、今年は怪我もすることなく別の乗り物で降りることができた
あの怪我がなかったら、一人で乗ってあのコーナー攻めていただろうななんて考えて
プライベートキャンプ場でテント、タープを張る、薪に火をつけキャンプの準備
オレンジ色に燃える西の空から薄暗くなる頃、HIGH FIVEなローカルが登場
呑めないぼくらと一緒にオーガニックワインを飲みながら、冷たくなっていく夜と焚き火を愉しむ
3日間この農場を空けていたオーナーが戻り焚き火の周りの輪が広がる
灯りを消すと真っ暗な夜、雲の切れ間から時々顔を出すハーフムーン
アルコールがまるでダメな自分が、ワインと日本酒を飲んでもどこも痛くならず、気持ち悪くもならなかったのは初めて
「良い酒は体へのダメージがないからきっと飲める」と言っていたのもここのオーナーだった
焚き火の囲み色々な話題、夢なども語り合っていると、ゆっくりと月は西の山に隠れていき真っ黒な闇に包まれた
シュラフの中で寝ていると女性の声がする、早朝5時過ぎから畑の仕事に出てきた奥さんとオーナー
息子とハウスに完全無農薬トマトを採りに、起きたての体に贅沢な甘いそのトマトが染み入る
焚き火台の灰を吹くとその下にくすぶる炭火、小枝を集めまた大きな炎が生まれる
ダッチオーブンを置き昨日の残りのスープにトマトを足してを温め、ダッチのスキレットに入る大きさに切ったサツマイモを入れただ蓋をする
ローカルのパン屋さんで買ったもちもちの食パンを網にのせて焼く
焚き火のダッチオーブンの横で沸かしたお湯でコーヒーを淹れる、面倒なのでパックのドリップコーヒーでも美味しく感じる1000mの朝
キャンプ道具は、ここRelaxで昔から取り扱っていたもの、テントやダッチオーブン、焚き火台はかれこれ15から18年も使っている
良い道具は愛着が湧き、古さを感じることなどない
とりあえず張ったタープの下には一度も入ることは無かった
今回持って行った道具をさらに整理をしようとも思う、たぶん荷物は半分くらいまで減らしても何も問題はないだろう
そんなことやって考えるから商売にならないのだ…
ゆっくり何もしない午前、ゆっくりと流れる時間
朝の畑の仕事を終え朝食をとって戻って来たオーナーが子供に見せてあげると、チェーンソーのエンジンをかける
この秋限定期間オープンするというカフェの準備
森の針葉樹の間引きと栗の木を切り倒す
この栗の木は製材し、現在土間のところに一段小上がりをつくりお客様が寛ぐカフェの床の土台になるという
遊楽木舎の西の窓から見る夕方の景色は、この間伐によってより美しい夕焼け空をみることが出来るようになる
一つの夢に向けての一歩を一緒に刻むことができた
減農薬で育ててきた遊楽木舎のりんごもトマトも、今年ははじめて完全無農薬で育て上げることが出来そうだという
時間を掛けながらも、着実にその先の夢への実現に向けて歩き続けている姿、同じ男として尊敬を通り越した何かを感じる
いつも勇気付けられる
何もしない時間を持つことの素晴らしさを教えてくれる
何もしないからこそ考えること思考が生まれる
最後に息子に声を掛けて、面白いものを見せてあげるからこっちに来てみてと森の中に連れてってくれた
広葉樹の森と針葉樹の森の土の上を歩いてそのクッションの違い、棒を刺してどれ位それが刺さるか見せてくれた
もちろんフカフカで棒が刺さるのは広葉樹、本来日本の森にあったその姿が如何に大切なのかを話してくれた
このような広葉樹の森は多くの水を蓄え自然のダムとなるという話も彼にしてくれた
教科書や本で読み知ることは大切なこと、それを実際に見て触れて五感で感じるということが大切だと思う
どこまで息子がそれを理解していたかは分からないけど、彼が突然「今度ね、表参道に連れてって」と言った…
何を関係ないこと言ってるのかと思って彼の話を聞いてみると、表参道に土でつくったシャーベットがあるから食べに行こう!ということだったのだ
いい土は食べられるそうです
精一さん、久子さん、いつもありがとうございます
ぼくも変わることなくただ前に一歩ずつ踏み出す勇気をいただいました
小さな一歩を長く続けることが自分にはあっているようです
ただ遊ぶこと場所に行くことだけではなく、そこで生活する人と会い話すことの大切さを面白さを子供にも伝えたいです
そして、片品のみなさん、いつも温かく迎い入れていただきありがとうございます
この店も買い物をするだけの場所でありたくないと